IAACはソウルを拠点とする陶芸デザインスタジオ兼ショップ。2013年にHyunji Jeonが店をオープンし、プロダクトのデザインから製造、販売まで、すべての工程を自社で行っている。

物体が日常の中で果たす静かな役割に、常に関心を抱いていたという彼女が陶芸を学び始めたのは、2004年のこと。食器やコップは単純なものに見えるかもしれないが、知らず知らずのうちに人々の日常や会話、思い出の一部となる。そんな考えから、誰もが長く愛用できる製品をつくりたいと思うようになったという。
スケッチの段階から人々が手に取るまで、すべてに関わり、オープン時から一貫してほとんどの時間を手作業で制作することに費やしているというが、その中で大切にしていることは、流行を追いすぎないこと。それよりも自然に使える心地よさや、使い込むほどにその人の生活に馴染んでいくような作品をつくることに重点を置いている。
「もし誰かが意識せずとも、毎日私たちの製品を手に取ってくれたとしたら、それは本来目的とする仕事の役割を果たせたと言えるでしょう」とHyunji Jeonはいう。

またショップとしても機能するスタジオは、単にものを売る空間ではなく、食べ物や花、人が自然に陶芸品と出会う場所だと考えており、初めてハンドメイドの作品を探しに来る人もいれば、シェフ、デザイナー、コレクターなども日頃から数多く訪れる。実際にレストランやアーティストとのコラボレーション、ワークショップといったイベントも度々開催されている。世界中からさまざまな人が集まるというが、彼らに共通しているのは、静かに生活の一部となっていくものへの愛情や、その価値を深く理解している部分だという。
そんな店の枠を越え、テーブルウェアを世に送り出してきたIAACだが、今後は陶磁器が単なる機能的なものとしてではなく、空間全体に影響を与え、雰囲気を醸成する作品として、どのように存在し得るかを探求していきたいという。
IAACの製品は考えすぎなくても、料理や花など、ものの良さを最大限に引き立て、日常のささいな場面の質を高めてくれる。特別でなくても、当たり前を大切にこだわりを持つことで、その情景は記憶され、やがて思い出となっていくのだ。
【STUDIO/STORE Information】
Address: 15 Hannamdaero 42gil Yougsan-gu Seoul Korea
Time: 11時-18時(要来店予約)
Instagram: https://www.instagram.com/iaac_crafts/